根っこのつながり。
以前、『美建築ぶらり。竹田ひとり旅 その5』という記事を書きました。
投稿時期により、各ページが離れてしまったので、<その5>を開いて、その1から読んでいただくと便利です。
その時に、B・B・C長湯さんの図書館にあったチェンバロのことを
少しだけ紹介させてもらいました。
関連記事→『美建築ぶらり。竹田ひとり旅 その4』
チェンバロの製作者は、故・松本公博(こうはく)氏。
ヨーロッパの古楽器を、日本の木で作りたくて
山香に移住し、カテリーナ古楽器研究所をひらいたとのこと。
その後、気になって少し調べてみました。
(日本の木で作りたくて・・・ってあたりが、もうツボで。)
そしたら、出てくるわ、出てくるわ!もう、イモヅル式。
「類は友を呼ぶ」ではないけれど、不思議な、
世界観のつながりのようなもの。
それを今回、自分なりにお伝えしていければと思います。
良ければ、お付き合いくださいませ。
とにかく、本当に山香にそんな場所があるのか?
ググってみると、確かにあるんです。カテリーナ古楽器研究所。
しかも、HPの雰囲気から、本当に素敵。
知らないだけで、本当に
こんな場所が(しかも、意外と近くに)あったのねぇ~。
もくせい工舎の家がお好きな方は、こんな雰囲気、お好きじゃないかなぁ。
オタマジャクシにも全く疎い私は、音楽のおの字も分からない。
それでも、楽器を作りながら
自然の恵みに敬意を払い、大事に「音」として
受け継いでいこうとしておられるのが
伝わってくるのです。
どんな音楽なのか、CDのようなものが売っているのか
気になるところ。
検索すると出てきたのは、
「カテリーナ古楽器合奏団」と、なぜか『宮崎 駿の雑想ノートⅤ』。
?????
宮崎駿って、あの宮崎駿??(←呼び捨てだけど? )
見ると、ちゃんと演奏がカテリーナ古楽器研究所ならぬ
カテリーナ古楽合奏団。
?????
どう違うの??
研究所は、研究したり、楽器をつくったり?
合奏団は、演奏するときの名前?
私がB・B・C長湯さんで見たチェンバロの製作者は故・松本公博さん。
かたや、合奏団を結成したのは松本雅隆(がりゅう)さん。
実は、ご兄弟で
雅隆さんは、公博さんの弟さんとのこと。
合奏団は、東京立川のロバハウスを拠点に音楽活動をしているようで
「ロバの音楽座」としても活躍されているようです。
・・・というか、もうロバハウスって名前がいい。
そのロバハウス、建物もすごかった!
設計は、村山雄一(たけかず)さん。
なんでもこの方、建築模型を粘土で作るらしい。
雅隆さんが「洞窟や胎内のイメージで」と伝え、
村山雄一さんの手のひらから生まれた
ロバハウスとロバノコハウス。
~~~~~~~~~~~~~~~~‼‼‼
何という愛らしさ!
村山雄一さんは、シュタイナー建築で有名な方らしく、
子ども達のための幼稚園なども手掛けられています。
そのご縁でなのか、公演先で
松本雅隆さんの目に留まったよう。
その幼稚園の建て方も、本当に素敵。
葛飾 東江幼稚園 園舎
子ども達に、極端な刺激を与えないよう、
安心して過ごせるよう、
五感を通して、やわらかな印象の優しい建物となるよう
心をつくしているのが、とてもよく分かります。
(・・・というか、こんな建物に通わせたかった!)
その建築作品も、素敵なものばかり。
ただ、(個人邸や幼稚園に、ずかずか入れないので)遠慮なく見に行けるのはトーベヤンソンあけぼの子どもの森公園や、
気流舎などでしょうか。
それでも、埼玉・・・。それでも、世田谷・・・。
遠い~・・・。
(都市圏に縁がないと、どうやって行くのが賢いのか
それすらピンとこない・・・。)
村山作品のように曲線だらけには、なかなか難しいかもですが
もくせい工舎のお家も、甘木土の壁は
胎内のような、やさしい空間ですよ。
良かったらご検討ください。
・・・それにしても、です。
松本公博さんの手づくりの古楽器、
その古楽器をつかった演奏をするカテリーナ古楽器合奏団、
古楽器や空想楽器で、子ども達に音楽の夢を運ぶロバの音楽座、
粘土をつかって、手のひらから生まれたような
村山雄一さん設計のロバハウス、
そして藤森照信さんの建築・・・。
どこか人の手仕事を感じるような、
土のにおいがするような、
そういった方々と、不思議とセットで?
一緒に名前が出てくる宮崎駿さん。
竹田に美建築を見に行って、
松本公博さんのチェンバロに出会ったり。
そこから、ロバの音楽座や村山雄一さんの作品を知ったり・・・。
これも間接的ではあるけれど、何かのご縁なんでしょうか。
「有由有縁」
川端康成のその言葉を、座右の銘にしているのは、元竹田市長の首藤勝次さん。
(B・B・C長湯を運営する大丸旅館の5代目経営者であり、藤森照信さんにラムネ温泉の建物を依頼した観光カリスマ)
出会う縁、その由縁が違えば
もしかしたら、村山雄一さんの手によるラムネ温泉館なんていうのも
あったのかもしれない。
それも見てみたかったかな~とも思いますが、
これも縁あってのこと。
それでも、藤森照信さんの作品を気に入った方なら
きっと、冷たい無機質な建物にはしなかったのではないかと
勝手に想像しています。
生き物としての人間と、【自然】の根本的な
つながりのようなもの。
それを大事にした、生き方、暮らし方、つくり方。
人の手の仕事を感じる、土の感触を感じる建物は
目には見えないけれど
きっと
人間の根っこにとって、大事な仕事をしているに違いない。
色々なご縁のつながりを垣間見て、
そう実感しました。
例え、ちょっとした小さな旅でも、
そのもたらすものは大きい。
狭くなりがちな視野を
広げてくれるような気がします。
それを言い訳に、また旅に出て
皆さんにご報告出来たらと思います。