ロード・オブ・ザ・おんた Vol.2
短い足をグルグル高速回転させて、Googleさんの予想より早く着きました。
なんだか巨大IT企業に勝ったような気持ちになります。(小さくガッツポーズ)
さて、窯元めぐりを始めましょう。
会場でいただいた地図。
皿山の入り口辺りから、出店なども出ていて、ウキウキします。
蕎麦屋さんの店先では、イワナを塩焼きにしていて、おいしそう。
ピザやビールまで楽しめる窯元もあります。
ちょうどお昼時とあって、あちこち大賑い。
小腹は空いていたものの、こんな時、ひとり旅は気楽です。
同伴者のお腹の空き具合を気にせず、「とりあえず、こっち!」ができます。
食事処が賑わっているということは、窯元がいくぶんか回りやすいかも。
目的のものを、見る方が先!と判断しました。
店先も、おしゃれ。黄色の色味がかわいい。
こちらでゲットした、お皿?それとも植木鉢の受け皿?各500円くらいだったと思います。
山香町の撮影でも、使用しました。
雨ざらしがもったいない焼物の背景に、蕎麦屋横の川を見る。
ぎぃ~~~~~、ごとん。ザァ~~。ぎぃ~~~~~、ごとん。ザァ~~。
唐臼が何とも味わい深い音を立てています。・・・これは、小石原では見なかったような。
うろうろ見ていると、売り物の棚の下に隠れるようにあったのがこちら!
手洗い鉢、じゃないですか?小鹿田焼の!
多分、坂本元窯で見たんじゃないかと思います。違っていたら、すみません。
い、いくらだろう・・・。と値段を探しましたが、見当たらず・・・。
これ、今お家を検討中の方は、見て欲しい~。
手洗い鉢が小鹿田焼なんて、ゼイタクすぎる・・・。うらやましい。
さて、こちら。看板は【窯元柳瀬朝夫】となっておりますが、地図で言うところの【柳瀬裕之窯】。
その軒先に、
おぉぉぉ~、500円!これなら買えますよ!
似ているようで、1つ1つ違うのは、手づくりならでは。
手にのっけて、じっくり見て、しっくりくるものを選びます。
建物の中にも、そこそこのお値段のものから、手に届きやすいものまで。
中でも、これ!
このぽってりした形、絵本『ぐりとぐら』のカステラみたいな黄色!
しかも、1,000円!なんてこったい。買いますとも!
これ、山香の完成見学会で飾らせていただきました!
赤い花と、お似合いです。
こちらでゲットしたもの。たしか、(左から)300円、1,000円、500円、・・・右が一番思い出せない。450~600円くらいだったと思います。すみません。
こちらは、そのお隣、地図でいうところの【柳瀬元寿窯】。
店先のお地蔵様の足元に、看板が。
「お陰様で、5年ぶりに」の文字。
水害や、コロナで。
怖い思いや、やきもきする時期をなんとか過ごしての、5年。
ここの土地の人が書く、5年の文字は、なんだか感慨深い。
おしゃれな展示。窯元で、展示の仕方も異なり、おもしろいです。
柳瀬元寿窯から、共同窯を見る。
窯業の小鹿田地区、そのもっと奥の池ノ鶴地区には、
それぞれ陶器と、野菜などを天日干しするための広いスペースが
家の前に設けられていて、家屋はL字にそれを囲むようになっているそうです。
その、ツボと呼ばれるスペースに、こちらでもテントを張って
販売スペースを設けていたのですが、
・・・・ん?なんか、聞き覚えのある声がする。
「●×☆〇▲△・・・・」
・・・セキセイじゃないですか~!かわいい~!
2段ある鳥かごの上段に、セキセイインコが2羽。
片方の子がずっと何かしゃべっている。
ことりのかあさんと名乗るくらいなので、もうニヤニヤがとまらん。
しばらく、陶器そっちのけで鳥かごを見ていたので、
連れられてきた小学生たちも、何かいるのかとワイワイ寄ってくる。
こちら、カメもおりました。
ずいぶん、おしゃれな隠れ家をもらっております。
こちらもガン見していたので、退屈になった子ども達がワイワイ見に寄ってきました。
まだまだ、陶器のカメより、亀の方がおもしろいのかもしれません。
こちらでは、水玉模様のこぶりのお茶碗を買いました。
水玉とか、点々模様って本当に可愛い!こちら、たしか1,200円
小鹿田焼といっても、こうしてみていると、窯元ごとに雰囲気が違うから面白い。
THE 小鹿田焼!というスタンダードのものもあれば、
こちらの窯元さんは、ちょっとポップな感じがするとか、
エスニックな感じがするとか、
使う色の組み合わせや、模様の入れ方、形の具合で、似ているようで全く違う仕上がりになっています。
こうしてみると、亀もおもしろいけど、カメもなかなか楽しめる。
こんな世の中にあって、少しでも楽しいもの、美しいものに出会えるのは、しあわせです。
・・・ハワワワワ!なんてゼイタクなブロック塀!
さて、そろそろ山を下らねば。
山を登ってきて、飲まず食わずでウロウロしていたので、
さすがに何か飲みたい。
しかも、元気が出る感じの。
ちょうど、入り口付近に、天ケ瀬の方から来ている出店がありました。
【田代屋】さんで、お土産の和菓子を
やさしいお味。かりんとう饅頭を、長男が大絶賛しておりました。
そして【あまみらカフェ】さんで、自家製シロップのレモンスカッシュを買いました。
・・・・はぁ~~~~~ぁ。生き返る。
こんなありがたいレモンスカッシュ飲んだことない。おいし~い。爽やか~。
天ケ瀬も先の水害で、大変な被害を受けた場所。
天ケ瀬の魅力と未来に出会う場所として、オープンしたという【あまみらカフェ】。
水害だけじゃなく、どんな自然災害にあっても、その土地に生きる人々にとっては
かけがえのない大事な場所であることは、小鹿田も、天ケ瀬も同じ。
そんな意志を感じるレモンスカッシュを片手に、元気をもらって、来た道を歩いて戻りましょう。
下ろうとすると、シャトルバスの乗り場。
もしかして、バスが来るのかと見ていると、係のおじさんに声を掛けられます。
「あいにく、今20分ほど遅れてるんですよ」
見ると、小鹿田に向かう上りの道は、まだ延々と混んでいます。
シャトルバスが昇ってこようとしても、時間通りにはいかないでしょう。
「乗りますか?」
「いや、ことといの里から歩いて来たんで、帰りも大丈夫でしょう。」
「結構、ありますよ」
「行ける気がするんで、歩きます。ありがとうございます。」
下るだけだし、レモンスカッシュで元気も出たし、上機嫌で歩いていると、
渋滞中の上りの車から、結構な確率で声をかけられます。
注:ナンパでは、まずない。・・・あ~!よく考えたら、下る車には、全く声を掛けられてない!
「大丈夫ですか?歩けますか?」とか!
このオバちゃん、登って来たんやったら歩けるやろう!と、全く心配されてなかったんだと思う。
「この先、もうすぐですか?」「この先、どうですか?」と。
「お連れさんがいて、小さい子もいるなら、ここまで来たら、あと少しですから!このまま進んだ方が、まだ良いと思います!」
自分が引き返した位置より、下の人で、お連れがいない場合を除いて、
あまり歩きをおすすめできないと思ったからでした。
歩いていると、道中、水害の爪痕を多く見かけます。
根っこがむきだしになった樹木
こういうのは、心がギュっと痛む。
実は、ことといの里まで行かない、ふもとの道は、通いなれた道。
若かりし頃、週末に何度も通った、大事な思い出のある道です。
注:色っぽい話じゃ全くないです。
わけあって、20年以上通れずにいましたが、見慣れた風景とかけ離れた現実がそこにありました。
紅葉も始まりかけた美しい景色を横目に、
時々、ギュ~っと後悔や、情けなさや、複雑な感情が入り混じります。
・・・お?もう、着いた。
ことといの里です。
・・・・・バスに全く抜かれなかったぞ?
そう、多分、あのまま待っていても、なかなか来なかったのだと思います。
歩いた方が早かったのかは、実のところ分かりません。
でも、歩かなければ見えないものは、たくさん見れた、小鹿田への道でした。