美建築ぶらり。竹田ひとり旅 その 2
前回の続きであります。
(いつもより、今回ちょっと早めに記事を上げます。)
はりきって、ひとり旅に出たものの
宿泊するための荷物一式を忘れた私。
(何やってんだか)
なんとか日暮れまでには宿に戻ることができました。
ゆっくりするために、あわてて戻る。
走ったメロスもズッコケそうな顛末です。
待ち受ける暴君も、親友セリヌンティウスもいませんから
ひとり寂しく、山頭火のカギを開けます。
というか、ワクワク。
だって、これ、貸し切りなんすよ?(←うれしくて、言葉が乱れる)
漆喰とかの手しごと感が好きな方は、たまらんですよ?
こんな味のある造作。でこぼこした感じに
自然の蔓(?)で茶室のよう。
もう、カメラ片手にニヤニヤがとまらん。
そのせいか、現場撮影のように
ついつい入る時言ってしまう。
「・・・失礼しま~す」
で、玄関こう!
さりげなく飾られた調度品まで、なんともハイセンス。(価値は分からず。猫にナントカ、豚にナントカですので)
一番最初に借りたお手洗いだって、
こんなに渋くておしゃれ。
決して明るくはない壁の色合い。
それでも、暗いとかじゃなく
ただただ、とても落ち着く感じ。
ここかしこに絵や書が飾られているのも
私好みで、うれしい。
ニヤニヤしながらドアを開け、
いよいよお部屋です。
~~~~~~~~‼‼‼‼
素敵すぎる!
あの木の枝のアーチだって、どこから手に入れたんだろう。
よくあんな曲がり具合の、ちょうど良い木があったもんだと
驚いてしまう。(加工してるんですかね?)
ちょっとしたものが、こじゃれてます。
そして、この木の枝の中をくぐると・・・
ミニ書斎~!
掘りごたつのように、足を、一段下におろして座ります。
目の前には、あの蔦の可愛い小窓。
ちょっと、こんな贅沢な部屋に
9000円いかないで泊まっていいんだろうか。
ミニ書斎から室内を見る
障子を開けると、テラスもあります。
ちょっと肌寒い日だったので、出て座ることはしなかったのですが
季節が良ければ、ぜひとも
挽きたてのコーヒーを飲みながら
本でも読みたい!
小鳥の声を聴きながら!
もう、窓のカギすら可愛い。
つるんとして、ぽってりして、
レトロで触り心地も良いのです。
そして部屋にはミニキッチンも。
今思えばですが、お茶を沸かすヤカンはあっても
鍋やプライパンはなかったのでした。
何でも置きっぱなしにせず
一番きれいな状態で
受付で貸してくれるのだそう。
私は今回料理までする気がなかったので、
これだけでも充分充分。
小ぎれいで、片付いてて
わが家の台所より居心地が良い。
また、木枠の小窓もとても可愛い。
いや~。満足満足。
おっと、そうだった。
買っておいたビールを冷やしておかねば。
冷蔵庫を開けると
・・・ありゃ、電源入ってない。
ダイヤル式の庫内のスイッチを
強にして、
クーラーボックスに入れてきた保冷剤で
ビールを挟んで、入れておきます。
右往左往していたにもかかわらず
幸い、ビールは冷えていたのですが
お風呂上がりのお楽しみに、しっかり冷やしておきましょう。
(ところが、これが後で仇となる)
前回書いた通り、この施設にはお風呂がありません。
系列の大丸旅館のテイの湯(無料)か、ラムネ温泉(500円のところを100円で)を利用することになります。
どちらも利用時間があったのですが、
うかつにも写真を撮るのを忘れました。
しかも、数字に弱い私。
すっごいアバウトですが
大丸旅館が13:00~21:00/翌5:00~8:00(やったかも?)
ラムネ温泉が10:00~営業終了の22:00???(やったかな?)
すみません。写真撮るのに夢中でちゃんとお知らせできず。
時間も時間だったので、近くのテイの湯に行くことに。
(ラムネ温泉は翌日も100円で入れる券がもらえます。チェックアウト時に申し出ましょう。)
18時台なので、もしかしたら
本館泊まりのお客人はご飯時かもしれない。
(夕食ナシはこの点、自由で気がラク)
空いてるといいなぁ~と言いながら
芹川沿いを下っていきます。
歩いて数分。
橋を渡るとすぐそこです。
「部屋のカギを見せたらいいですよ」と言われていたので
老舗旅館の立派な玄関先に気後れしながら
「こ~んに~ちは~」(←これじゃ錦鯉の長谷川さんだ)
ところが呼べども呼べども、皆さん忙しくて気がつかない。
やっと前を通りかかった和風美人の方(←多分女将さん)に
「山頭火です!お風呂良いですか?」と聞くと
「どうぞどうぞ!」と満面の笑みを返していただきました。
その、テイの湯ですよ。
あの与謝野晶子も愛したという、名湯ですよ。
脱衣場には与謝野晶子だけでなく
「オリオン座と一緒にお風呂に・・・」(←文言ちゃんと覚えておらず。適当でスミマセン。)と檀ふみさんの直筆色紙が。
そのお風呂に・・・
なんと一人で入りました。
我ながらナイスタイミング。
貸し切り~!ひゃっほ~!
腰痛に冷え性、しもやけ持ちの私は
冬場になるとたまらず温泉に治療目的で行くのですが
こんなに入って漬かって(←正:「浸かって」)
気持ちが良いと思うお湯はなく。
お湯あたりが良いというか、温度もちょうど良く
なんとも心地が良い。
飲泉もできるので口に含むと
鉄の味。胃腸に良いそうです。
半露天風呂もあり、
芹川の流れと、ようやく雲が取れてきた
夕暮れの空を見ながら
名湯を満喫したのでした。
「正直、お風呂が部屋にないのは不便だけど
このお湯に何度も入れるのはいいなぁ~」
川沿いの涼しい風に吹かれて
散歩がてら、また来た道を部屋に戻りました。
次回は「過ぎたるは猶及ばざるが如し」はビールにも。
通常、月の中頃と終わりにアップしておりますが
ちょっとコンスタントに上げるかも?です。
(見学会も入りそうですし)
よかったら、おばちゃん珍道中に
またお付き合いください。