60点をねらいつつ、欠点はとらないよう努める【付き合い】
夢のマイホームと言うけれど、家を建てれば、漏れなくついてくる現実があります。
ローンの支払い?
それもですが、今回は《ご近所付き合い》のお話です。
蔦で中まで覆いつくされた、ご近所の廃屋。野ぶどうの実がなっていました。残念ながら食べれないのだそう。
任意加入でありながら、有無を言わせない感は、町内会も、PTAも同じ。
「入りますか?入りませんか?」と、まず訊かれない。
おらが村のような田舎だと、政(まつりごと)ならぬ祭りごと関連もあり。
マチナカに近かったアパート時代より、住んだとたん、かなり高濃度な近所づきあいが始まりました。
公民館掃除や、地域の草刈りなどは、まだいいんです。
顔見知りもできるし、みんなで使う場所を、みんなできれいにする系の活動は、やった甲斐もあります。
その公民館掃除で、いいもの見つけました。桜の落ち葉が葉脈だけになって、レースみたい!
よく分からないのは、交通当番でして。
朝の7:30~8:15まで、指定の位置で、2世帯から1人ずつ、つまり二人一組で立つのですが、
学校が休みでも、嵐が来ても、人っ子一人通らなくても、立たねばならない。
例え、学校がある日でも、子ども達は7:30を過ぎたらほぼ通らないので、
時間設定も、首をかしげたくなるのです。
私は家で仕事をしているので、まだいいとして、
核家族で、ふつうに会社勤めなら、まず無理でしょう。
都合がつかなければ、誰かに変わってもらうとか、交渉をせねばなりません。
他人に迷惑をかけて、頭を下げ、交渉して、・・・誰も通らない道を、小一時間監視する。
やりがい、まったくのゼロ。
「交通当番、たいしてやることもないから、ひとりずつで立とうか?
そしたら、順番回るのゆっくりやし。」
よくペアを組むお隣さんに持ち掛けて、ひとりでたっていたら
「みんな二人ずつでたちよるんやけ!」とお叱りを受けました。
「なんで?どうして?」と聞いても、
「なんでも!」「決まりやけ」「昔からそうなんやけ」「みんなやりよるんやけ」という、
腑にちっとも落ちない返事なのも、PTAと一緒。
嫌なら変えればいいのですが、変えようとしても、イチぺえぺえに何ができるわけでなく。
PTAをやった時に、さんざん思ったのは、本当に変えようと思ったら、
中枢部に入って、何年も人が嫌がる仕事をやって、信頼を得てからじゃないと無理だということ。
なんでそうなるのか、中枢部に行かないと分からないこともあるからです。
それで、中枢部に行ってみると、それでも分からない。
例年通りのことを、みんな疑問に思ってるのに口に出さず、
とにかく、事なかれ主義で進めることが第一。
変えようとすれば、変人扱いされ、煙たがられて、
(PTAだと、末子が卒業して)期限が切れるか、「・・・そこまでして変える義理もないや」とあきらめる。
う~ん。組織って、本当に分からない。
同じボランティアでも、やりがいがあれば、みんなそんなに文句は言わないと思うんです。
ボランティアで、使えるはずだった時間を割いて、
都合がつかなければ、他人に迷惑をかけて、頭を下げて、
意味や意義をまったく感じないことをする。
・・・これは、モヤモヤしますよ~。
だから、交通当番時は、ペアの人と「意味が分からん」ことへの愚痴り合いとなります。
(相手によっては、特に話すこともないですし。)
「私、近所づきあいとか、もう本当に、どうでもいいんですよ。
でも、こんな田舎なんで、こんなに結構、色々あるとか思いもせんかって!」
先だっての相方さんがそう言う。
私も彼女も、地域に全く縁者のいない、いわゆる「よそ者」です。
彼女と話していて、引っ越しにあたり、転校を選んだ理由を、
「う~ん。やっぱり、地域に根を張るっていうか、
住んでいるのに、うちは関係ないというのも、なんだかね~と思ったんで」と言うと、
「子どもがおると、その点、大変ですよね」と同情され。
とはいえ、子どもの有無にかかわらず、根を張るということについて考えてしまいました。
根を張るというのは、見ざる聞かざる言わざるで、ズブズブになること?
そうではなく、
そんなに都合よく、満点は取れないと理解して、
それでも根が腐らないよう、その土地で生きていくことかもしれない。
疑問に思うことや、モヤモヤすることを、
のらりくらりと躱しながら、
風に耐えるうち、踏まれるうち、しっかり耐えるように、根っこは強くなる。
それが根を張るということなんじゃないか。
そして、大樹が枯れた後(引退ってことで)、日が差し込んだ時がチャンスで、
ここで、より良い方向へと、伸びていければ、
強くなった根が、その茎を、その花を、支えてくれるんじゃないか。
動ける人間は、植物よりマシなのですが、
逃げるばかりでは、根無し草になりかねない。
彼女のように、「近所づきあいなんて!」というほどのものも持ち合わせてない私。
そこで思い出すのが、たまたま見て、目からウロコだった
『感動!友達なんかいなくて当たり前【甲本ヒロト】【名言】』というYouTubeのショート動画です。
学校という、たまたま親が選んだ土地の、たまたま同学年の、たまたま同じクラス。
子ども達ほど、選択の自由がないわけでない、エエ年した大人の、【ご近所づきあい】。
甲本ヒロトさんの考え方で、それを考え直してみると、
職場だろうが、ご近所だろうが、
たまたま同じタイミングで、その場所に居合わせただけ。
みんな仲良く「お友達」になる必要はないんだけれども、
なるべく喧嘩しないで、できるだけ平穏に暮らす。
その練習である【学校】を出て、大人としてのドンピシャの実践が、
今まさに目の前に現れた、職場であり、ご近所づきあいなんじゃないだろうか。
みんな100点満点の、仲良しこよしである必要はないんだけれど、
職を全うするまで、この地にサヨナラをするまで、
なるべく平和に、他人も、自分も大事に過ごしていく。
根を張るということは、そういうことなのかもしれない。
口やかましく感じる役員さんさん達が、決して好き好んで引き受けていないのは、
地区もPTAも同じ。
かといって、変えていくには、時間もエネルギーも必要で。
だから、これはあくまで私個人の目標ですが、
「60点あたりをねらいつつ、30点以下は取らない程度に」を考えています。
ご近所づきあいや、他の人間関係含め、
その方が、気が楽なような気がします。
ズブズブにならず、しっかり根を張りながら、
踏まれても、ゆがんだままでも、
花を咲かせたら、
咲かせたもん勝ちってことで良いのではないでしょうか。