ヤシの実にストローを。
おそらく、人生最後となる春休みを堪能中、
「俺、ヤシの実にストロー指して飲んでみたい!」と次男がいきなり言いました。
二刀流になるわけでも、海賊王になるわけでもなく、
いきなり言い出した夢が、ヤシの実って・・・。
とはいえ、そう言われると、気になる。
私も、ヤシの実、どうやってストローをさすのか、半世紀生きて知らないぞ?
そこで、以前ダチョウの卵でさえ買えたんだから、きっと売ってるに違いないと、
アマゾンで調べてみました。
「あったよ・・・、ヤシの実も。」
そして、届いたのがこちら。
2個入り。おまけつき。
もっと大きく、表面がフサフサだと思い込んでいたので、意外に小さく、しかも硬い。
表面に貼られた説明シールに書いてある、飲み終わった後のカナヅチの出番にも、一抹の不安を覚えます。
とりあえず、まずは丁寧に「OPEN」と書かれたところに穴を開けます。
包丁で、グリグリグリグリっと。
ココナッツの実が出てきました。
この、ストロー用の穴は、不思議なほど、労せず開く。
まるで、ストローで飲むために用意されてるような穴。
そして、中は、空洞。ここにジュースが溜まっているんだから、不思議な木の実です。
熟成されるうちに、中のジュースは果肉(胚乳)へと変化していくようなので、
若い実ほどジュースが多く、熟すほど反対に果肉が多い状態になる。
ふんふん、なるほど。・・・と言いながら、なんでジュースが胚乳になるのかも気になってきます。
なんで?なんで?なんで?
どんなにトシを取ってきても、世の中知らないことだらけ。
また、色々分かったら書くかもしれません。
それはともかく、ジュースです。
2個しかないので、味見用に、コップに少し注ぎ入れ、
ヤシの実に、念願のストロー(太めのものが付属)を指します。
どれくらいジュースが入っているのか分からなかったので、コップには少しだけ。
意外や意外、それでも本体の方にはかなりのジュースが残っていたようでした。
さて、そのお味は?
う~ん。ミルキーなスイカ汁、エスニック風味。
不味くはないのですが、飲みなれていないので、不思議な味。
夢が叶った次男も、「う~ん。不思議なお味。」だそうで。
さて、問題の本体です。
春休み中なので、真夏のようにすぐ腐りはしなくても、
なるべく早く処理したいところ。
当時調べた時は、割る、身を削る、といった力任せなことしか出てこず。
後で知ったのですが、割った後、レンチンすると鬼皮はスルリと取れるようで。
それでも、柔らかくなった身に付いたままの薄皮は、やっぱり削って落とすみたいでした。
もっと深く調べたら、より簡単な方法があるのかもしれません。
とりあえず、カナヅチで割らないと。
わが家は猫さんズがいるので、びっくりさせるといけない。
場所を外に移します。
ガンガン叩いて、
やっと、大きな穴が。
埒が明かないので、トンカチどころか、ノコギリ登場。
やっと割れた!
・・・やっと割れたんだけど、まだまだこれから。
肝心の身を取っていかないといけない。
マイナスドライバーをノミ代わりに、カナヅチで叩きます。
もう、これ、あれですよ。
禅海和尚ですよ。青の洞門の。恩讐の彼方に、です。
もう、食べ物の身を取るレベルじゃなくなってきました。
岩肌を削るようにして、バラバラになったココナッツの身を
ピーラーやら包丁やらで、削り落としていきます。
そして、やっと削れた身を、とりあえずスライスしてみました。
正直、どうしていいのか分からず。
身もそこそこの、妙な弾力があるからでした。硬めのウリのような、ぶにゃぶにゃ少なめのイカのような。
どうするこれ?
とりあえず、ローストしてみました。オーブンで。
焼いている最中は、ココナッツの焼けた香ばしい匂いがする。
きっと、カリカリになってるはず。・・・はず!
しかし、焼けども焼けども、カリカリにはならず。
妙な"しなり"、弾力はまだまだ健在。
どうなってんの???
仕方ないから、ミキサーにかけてみる。
ガガガガガガガガガガガ・・・・・‼‼‼‼‼‼
あかん、ミキサー壊れそう。
なんなんやろ、この弾力。
そしてその後。
どうしたかと言えば、どうもしきれず。
ただ今冷凍庫を占拠しております。
あのまま、スルメの弾力をもつナッツとして食べるしかないんだろうか。
冷蔵庫に、どうしようもないココナッツの身を残したままの先日。
テレビで、あるの光景を目にすることとなります。
NHKの【サトリポ】と言う番組で、九州沖縄で暮らすアジアの若者の里帰りに同行する内容でした。
その時は、大分市でカレーショップを経営するスリランカの男性の里帰り編。
スリランカでは、カレーはもちろん色々なものにココナッツが用いられるようで、
男性の実家でも、料理上手なお母さんがココナッツを削る様子が映し出されていたのでした。
お母さんは、頑丈な土台に、斜めにキリがくっついたような道具で、
手でココナッツの実を動かしながら、内側をシャカシャカと削っているのでした。
・・・・道具あった~!
そりゃそうだ。いつも使うなら、それ相応の道具があるはずで。
細かく削れれば、弾力あっても、スルメにはなるまい。
きっと裂きイカ程度の感じでおさまるはずで。
かえずがえすも、後のことしっかり調べてから割れば良かったと後悔した次第です。
もし、「夏休みに、自由研究でやってみたい!」というチャレンジ精神旺盛なご家族の方は、
ぜひとも失敗例として、ご活用?ください。
いやはや、ストロー指したその後の方が、大変だった・・・。
そう分かっただけでも、良い経験となりました。
個人的には、ココナッツより、ダチョウの卵で目玉焼きを作る方をお勧めします。
あ、でも、4人家族で食べ終えるのに4日かかったんだった・・・。
どこか、物好きなご家族の方、良かったらチャレンジを。
少なくとも、一生の思い出にはなる、と思います。
おそらく、笑える方の。