シメ。
以前、『構造見学会とシュークリーム』という記事を書きました。
そこでシュークリームの歯ごたえについて熱弁し、
戸畑にあるマシェリさんのパイシューへの愛を語りました。
記事が埋もれぬうちに、
ワタシが忘れぬうちに、
書いときましょう。
(シメもシュークリームかい!って気もしますが
トシもトシですし、忘れかねんので。)
その、マシェリさんのパイシューが、こちらです!
もう、普通のシュークリームにはあり得ない
皮に、角(笑)
生地がふにゃふにゃしてないので、
箱に立てて入れても、崩れない頑丈さ!
今回撮影のために初めて切って断面を見てみました。
あ~、こんなにクリームを奮発してくれて!
ありがとう、マシェリさん。
このパイシュー。
かじるとザクッ、ザクッ。
そして、ぽってりしたクリームがすぐに出てきます。
パイ生地も、ハラハラと儚げに落ちるのじゃなく、
バラバラと、常緑樹の葉のように
厚みのある音をたてて落ちていきます。
生地の小麦の味が、ハード系のパンのように
しっかりして、
バターの風味もくどさがなくて、
クリームも、優しいのに
生地に負けていない。
もう、書いててまた食べたい。
大好きなシュークリームなのです。
あいにく、遠い~。
北九州は、戸畑です。
小倉方面に買い物とか、
何か用事でもない限り、
なかなか買いに行けないのです。
その私的「ついで」候補になるのが
北九州市立美術館。
マシェリさんから10分強行った所にある、
森の中の、高台にある本館の方のお話です。
設計は、大分が誇る
有名建築家、磯崎新氏。
北九州で育った私は、特別企画展のあるなしに拘わらず
その建物と雰囲気に触れたくて
よく訪れていました。
その美術館の駐車場から、アプローチに向かうとすぐ
見えてくる一本の木があります。
見上げると、特徴のある
双眼鏡のような外観の美術館の
すぐ入り口。
この木は、四季桜。
春と秋に花を咲かせます。
もう秋というにも遅い時期の写真ですが、
控えめな花が
枝先に少しだけ残っていました。
何十年(!)も前から、ここにこの木があるのを見ていますが、
ソメイヨシノのように大きくならないのか
あまり大きさが変わらない。
枝ぶりも低く、ちょうど両手を広げたようになっているので
その内側に入っていくと
ハグされているような感じになる。
人から触れられるのは少々苦手な私ですが、
この木の中にいるのは、とても心地が良い。
かわいがってくれた祖母に会いに来るような。
そんな【会いたい木】なのです。
Welcomeな木の歓迎を受けて、
急こう配過ぎる外付けのエスカレーターを上がっていくと
館内の正面ロビーに着きます。
特別企画展が行われていると、人も多く
ゆっくりするにはイマイチ。
何もない時ほど、美術館自体を満喫できる!
2階のカフェだって、混んでなければ
自由に、自分の好きな席に座れます。
いつ行っても、森の景色が素敵な場所ですが、
個人的には、紅葉の時期が一番。
色鮮やかで
キラキラきれいでうれしくなる!
そして、楽しみのスコーンセットをいただくのです。
(写真はスコーンとキッシュのセット。本当は、もう少し安いとうれしい・・・。場所代かなぁ。)
美術館には、さらにこんな場所も。
B1のアネックスに続く通路。
向こうには、北九州の街並みが見えます。
このガラス張りの反対側からは
森をおりて吹く風が清々しく
このまっすぐな渡り廊下を歩いていると、
なんだか不思議と
神聖な気持ちになるのです。
アネックスといわれる別館の扉を開くと
表れるのがこちら。
アトリウムです。
以前は、こちらに水がはっていて
キラキラ天井から降り注ぐ光に、
水面に映り込んだ柱が
本当に美しくて!
メンテナンスの都合なのか、
ここ数年は水がない・・・。
水のあるとないとじゃ、えらい差なのですが
何か事情があるのでしょう。
それでも、人がいないと
本当にここは静か。
とても落ち着くので、
つらい時、心を鎮めたい時
ふと立ち寄って
どんなに慰めてもらったか分かりません。
シュークリームに始まり、美術館。
皆さんにも、きっと大事な
場所があるのではないかと思います。
また食べたい、あの味。
また行きたい、あの場所。
また会いたい、何かや誰か。
小さな楽しみは、人をどんなに支えてくれるか分かりません。
新しい年が
また何かの
新しい【小さな楽しみ】に出会う一年とますように。
どんな人も、【小さな楽しみ】を奪われない
穏やかな日常を取り戻せますように。
1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。
どうぞ、よいお年を。