意味などいらぬ
令和となってすぐのGW、旧友と小石原民陶祭に出かけました。
前回訪れたのは、2017年の豪雨で被災する直前のGWですから、
被災後はじめて、の訪問です。
某道の駅で待ち合わせ、
被害のひどかった朝倉の松末地区を通って
小石原へと向かいます。
高速道路を通るたび、その下に広がる朝倉の被災地の様子は見えましたが
実際通ったことはありませんでした。
新しく建て直されたお家、埋まったままのお家、車、
川の黒い土留め、重機、そして
砂、砂、砂。
旧友と、小石原へ向かう度、通っていた「いつもの」道。
被災時TVに出ていた、松末小学校。
何にも起こっていない時、
何にも思わず通っていた道を、
何も言えず、通り過ぎる。
語彙力のなさを棚に上げても、
言葉にすると、何か違うものになる。
胸の奥や、おなかの底を
ぎゅっと、つぶされる。
「いつもの」道でありながら、「違う」2年ぶりの道。
前回は、小石原中心部まで、大渋滞。
車、車、車、たまにバイクに追い越され、
車、車、車。
着いたら着いたで、
人、人、人!
いったい小石原村民の何倍いるのか、観光客!(他人のこと言えんけど)
でも、今回は、渋滞も、そうでもなかったのです。
やっぱり豪雨の影響、・・・なのかな~?
予想していた渋滞を難なくクリアし
いざ買い物‼・・・ですが、
そう食器ばかり買うわけにもいきません。
鼻息荒く、被災地支援!っていえるほど、
お役に立てないかも。
と、言いつつ戦利品はゲットしましたよ。
硬いはずの財布の紐を緩める、
そんな掘り出し物に出会えました。
針山、レンコンのブローチ、アロマオイル入れ(←名前よく分からず)
お裁縫、まったくしません。
子どものゼッケンつけるのも、半泣きです。
・・・でも、この針山は、かわいい~。
気分が上がる。
この、【気分が上がる。】っていうのが大事なのです。
役に立っても、気分が下がるものより、
何の役に立つか分からない、気分の上がるもの!
そう!
何の役に立つでなし、でもなんか気分上がる!
なんか、おもろい!
その基準で今回手に入れた、一番ワケが分からん、でも何だかカワイイもの↓
鬼・・・?らしいけど、何だろ?この緊張感のなさ(笑)
ぱぁあぁあ~、って笑ってる。
不気味なんだか、かわいいんだか、
よくわからんけど、
見てるだけで、脱力。そして、つられて笑う(笑)
この、能天気な置物しかり、
財布の紐を硬くしていても、どうも私のツボをついてくる
窯元があるのです。
小石原民陶祭の中にありながら
異彩?をはなった空間。
出かけるたびに、なんかかんか買ってしまうのです。
しかも、思った値段の、半額そこそこ。
以前、緩んだ紐から、わが家に来ることになった戦利品たち。
皿も、びっくりするほど安いものもある。
手前は、2年前買ったもの。どんぶり鉢。
なんと両方とも、400円!
他所だと、安くても800円はする!下手したら、1600円、2400円しそう。安っ!
2年前に買ったどんぶり鉢の、ぷっくりとした手触りが気に入って
もう一つ買うか!と思ったのですが
同じ物なし。
ある時に、買っとかないと
ずっと同じものがあるとは限らない。
置物も、お皿類も、びっくりするほど安いのですが
中には「あ、それ高いよ。お茶の道具やから。」(by:店主)というものも。
「なんだか良くわからんけど、楽しいもの」を見ていると
あるオジサンがお店の人に、問うていた。
「これっち、なんか意味とかあるんですか?」
あ~、言っちゃった、言っちゃった~。
みんな意味を頭のどこかで考えつつも、
なんとなく言葉にしなかった部分です。
フーテンの寅さんじゃないけど
「それを言っちゃ~、おしまいよ」です。
意味が加わったとたん、なんか面白みに欠ける。
「不思議なこと」が、味わいでもあるからです。
なんでもかんでも、
意味などいらぬ。
言葉にした途端、「違う」こと。
意味を加えた途端、「失う」こと。
そういったものって、あるよな~。
それは、頭でなく、口先でなく、
もっと心の奥とか、おなかの奥の方、
腑の部分の話だよな~と、思って
小石原を後にしました。
あまりたくさん買えないので
支援にはならないけど、
また来ますね。小石原!
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