自由設計とかけて、バイキングと説く?・・・vol.1

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


(以前にも似たようなこと書いたことありますが)

「自由設計」はバイキングだ。・・・と私は思う。

1980円は1980円の。

5980円は5980円の。

その予算の範囲内の「自由」設計なんだな~、と思うのです。


・・・え?当たり前?

・・・いえいえ、少なからずあるのでは?

建設業ならともかく、

自由設計の「自由」の部分が

自分たちにいくら使えるか?なんて普通分からない。

だから、それこそ

本当にあれもこれも、できたら叶えたい!と思っていたのに

現実には、「出せるものが限られたるんだから、仕方ないのかな~」と

その限度を思い知らされることがあるのではないでしょうか。


夢のマイホーム!と言いながら

実際建てるのは、生活が成り立つ「現実の家」。

自由と言いながら、実はリアルでシビアな有限の「自由」。
作り手によっては「いいじゃん、いいじゃん!建てちゃえ、買っちゃえ!」と、
建てた後の施主の生活のことなんか気にしないかも?ですが。



だったら建売でも良かったか?・・・というと

やっぱりそうではないのですが

でもやはり、おのれの身の程を知らされた気持ちになったのも

正直なところ。

建てる前のワクワクした気持ちは半分、

財布のひもと一緒に、硬くなってしまったように思います。



金銭的に余裕がある世帯なら、そんなこと思わないのかもしれない。

あるいは、陽気で

「ないならないで、選ぶのも幸せ!」なんて

明るい太陽のような性格ならそうは思わないのかもしれない。
(創意工夫は楽しいものですが、施主と工務店の双方に
余裕やタイミングが合わなければ、それを練る暇もないですし。)



だからって、

そう(いじけて?)考えるお客の受け止め方が悪いんだ!

そりゃ、お金。出せるんならいくらでも望みを叶えてやるよ?

でも、そうじゃないなら、仕方ないじゃん!

・・・って言ったらどうなります?

もしくは、そう言わなくても、プンプン目線や態度に出ていたら?



他の工務店で建てた知人の話も含め

計画中、もしくはその後、関係が微妙になるとしたら

その辺で、何か起こってしまっている可能性もあると思います。

工務店側に余裕がないと、
「選べないことにクレームが来た!
こんなに頑張ってるのに!」・・・となりますが
客さんにしたら、ちょっと聞いてみた。ってことが多いはず。
「お金を払えないんでしょ?仕方ないでしょ?」と言われたら
ちょっと聞いてみただけだったお客さんも
「払えんで、悪うございましたね!」・・・と、なる。
怖いですね~。
ここは、工務店の心理的余裕が大事なとこです。
人間、いっぱいいっぱいは、ロクなことにならない。



例えばですが、評判のレストランがあったとして。

使う野菜は無農薬の自家栽培。

他の材料にもこだわり、オーガニック。

料理もおいしい。

噂を聞きつけ訪れた、そのレストラン。

1980円のコースを頼んで、となりのおいしそうなメニューに気づく。

「あちらは、食べれないんですか?」

「え?お金払えるなら、出しますよ?」

・・・こんな風に言われたら、もうこんな店来るものか~!と思う。

・・・いんや、絶対思う!


「申し訳ありません。お選びいただけるのはこの範囲なので・・・。」

こう残念そうに(例え嘘でも)言ってもらえたら気がすむ。



良識的な人なら

「そうなんですね~」で済ませてくれる。

逆ギレする方がまれなケースかもしれない。


でも、言っちゃいけない一言や

醸し出しちゃいけないものが、あるように思うのです。



それまで積み上げてきた努力が、信用が、関係が、

音を立てて崩れる可能性がある。



では、いくらでもお金を出せるわけではない。

そんなポジティブ思考、太陽のように陽気で前向きな性格でもない。

そんな(私を含め、きっと多くの)方々は

自由設計をどう考えたらいいのやら?



続きは、また今度~。

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