その目を通して

新しく着任された校長先生がPTA会議で

「前の校長先生はカラーで校長室便りをカラーで出していたようですが

ぼくは、経費削減もあって白黒にするつもりです。

その分浮いたお金は、子供たちのために使いたいと思います。」

とおっしゃいました。



何気なく聞いてて「ああ、はい、わかりました。」と思っていたのですが

・・・なんとなくチト寂しい( ̄▽ ̄;)



先代の、校長先生は名物先生でした。

子ども達からも、親からも、先生方からも愛された先生で

定年を迎え、今年の春学校を退職されました。



わが家が越してきて、転入の挨拶に伺ったとき

「●×(おらが村の名前)は、どうですか?」と聞かれ

「星が、すっごく綺麗です!(*^_^*)」と言ったら

それは嬉しそうにしていた前・校長先生。

校長先生は、おらが村の出身で、何よりもこの風景を愛し

教師生活最後の場所が、ご自分の母校となりました。



校長先生は、校長室便りを作るのも大変お上手で

特に、心に残っているのは写真。

近くの池に咲くハスの花の紅色。

ミカンをついばみに来たメジロ。

遊ぶ子供たちの表情。

校長先生が向ける目線の先には、必ず美しい色がありました。

写真とモノクロ



カラー印刷は確かにコストがかかるのでしょう。

「無駄」なら、削って節約すれば、子供たちの為に使えます。



でも、前・校長先生が

コストがかかってもあえてそうしたかったのは、

きっと、伝えたい世界が色彩にあふれていたからでしょう。

伝えずにおれない、美しい色がたくさんあったからでしょう。


その目を通して伝えたいことに、美しい色があるか?

カラー代金が無駄になるかどうかは、そこかもしれません。

バイカウツギ
バイカウツギ。朝つゆに濡れて、「しっとり」咲いています。

どんなに言葉をつくしても、写真には敵わず、

どんなに美しい写真でも、実物には敵わない。

color_w_p.jpg
白?グラデーション?・・・それだけ?


伝えたいことが、言葉だけじゃもどかしいこともある。

伝えたいことが、モノクロだけじゃ足りないこともある。

tuyu_hiperikamu.jpg
葉の上の朝露が、ぷっくり、キラキラ!
どんなに言葉を重ねても、「見る」には敵わない



色々嫌なことやつらいことがあるこの世にあっても、

こんなにも世界は美しいよ。まんざらでもないよ(*^_^*)



・・・そう伝えられるのなら、

そのコストだって、立派な「教育費」じゃないかな〜(。´・ω・)?

・・・なんて思います( ̄▽ ̄)

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